介護による腰痛を防ぎたい!おすすめの腰痛予防策

介護を行う上で感じる悩みの1つに「腰痛」が挙げられます。身体を支える腰に問題を抱えてしまうと、日常のすべての動作がつらく感じてしまうでしょう。今回は介護を行う上で起こりがちな腰痛の原因と、予防策をお伝えします。


この記事は約6分で読み終わります。

介護で腰痛になりやすいのはなぜ?

介護者の中に腰痛を抱えている人が多いのはなぜでしょうか。それは、介護の中には腰に負担がかかる動作が非常に多いからです。主に以下のような介助の際に、腰に負担がかかっています。

・入浴介助
入浴は、要介護者の身体を清潔にすることはもちろん、身体が温まることによってリラックスしたり血行が良くなったりと、とても大切なことです。

しかし、要介護者の身体全体を浴槽に浸からせる、身体や髪の毛を洗う、拭く、といったすべての動作に、介護者はかがんだり立ち上がったりの動作が伴うため、腰に負担がかかります。

・移乗介助
移乗介助とは、ベッドから車いすへ、車いすから便器へ、など要介護者の身体を移して乗せる動作をサポートすることをいいます。

介護においてはもっとも頻繁に起こる行動といえるでしょう。簡単そうに見えて、想像以上に力がいりますし、1日に何度もこの動作を繰り返すと、介護者の腰への負担は相当なものになります。

・トイレ介助
トイレの介助も腰に負担がかかっています。まず要介護者をベッドから車いすへ移乗させ、次に車いすから便器へ移乗させる。次にズボンの上げおろしや陰部を拭くなど、介護者は中腰での作業が続くためです。

・おむつ交換
要介護者が寝た状態でのおむつ交換も、介護者の腰に負担がかかる動作の多い介助の1つです。要介護者の腰を持ち上げたり、排泄後の洗浄をしたり、中腰の状態での作業になります。

このように、介護の現場では前かがみ、中腰、腰のひねりなど、腰に負担がかかる姿勢で作業することが非常に多いのです。また、その姿勢で数十分間作業を続けるなど、長時間同じ姿勢をとることが多いため、腰への影響はさらに強くなります。

目次へ

介護で腰痛を予防するには

介護をする中で腰痛になりやすい姿勢が多いのは確かですが、同じ作業であっても、身体の使い方と意識の持ち方で、身体にかかる負担は大きく変わります。仕方がないと諦めずに予防策をとりましょう。

腰に負担がかからない姿勢を意識する

腰を曲げるのではなく、落とすという感覚を持ちましょう。おじぎをするときのように腰から上半身を曲げるのではなく、身体の重心を低く落とします。足を開いて腰を落とすと安定感が出るので、ふらついたりバランスを崩したりすることも減り、作業がしやすくなるはずです。

要介護者をベッドから車いすへ移乗させたり、入浴時に要介護者の身体を移動させたりする場合には、身体を「持ち上げる」のではなく、「スライド」させるようにしましょう。

上下の動きは腰への負担が大きくなりますし、バランスを崩しやすくなります。一方スライドの横の動きは、重心の移動が比較的スムーズで、力が安定しやすいです。

環境を整える

介護をする環境を整えて、介護者の負担を減らす工夫をすることも大切です。

要介護者がもっとも長い時間を過ごすであろうベッドの高さは、介護者の姿勢にも深く関わります。ベッドが低すぎると介護者は前かがみにならざるを得ません。介護者が作業しやすい高さに調整しましょう。

車いすを押すときも、グリップが低すぎると前傾姿勢を長く続けることになるので、身長に合わせて調整することをおすすめします。

ベッドの周りをはじめ、部屋、通路はできるだけ広いスペースを取れるようにしましょう。スペースが狭いと無理な姿勢をとることになり、介護者の身体に負担がかかります。できれば、ベッドは左右両方から介助ができるような位置に設置するのがベストです。そうすればいつも同じ方向から介助して、片方だけに不調が出るということを防げます。

足腰を冷やさないように部屋を快適な温度に保つことも重要です。照明も明るく、作業しやすい環境作りが大切ですね。

福祉用具を活用する

すでに腰に痛みや違和感が出ている人は、腰痛ベルトやコルセットなどを使うのも良いでしょう。注意点としては、効果を得るために正しい使い方をすることと、常に着用すると筋力が衰える可能性があるため、必要なときを見極めて使用することです。

また、介護サポートのための福祉用具を使うという方法もあります。移乗の際に、要介護者を持ち上げずともスライドして移乗できる移乗シートや、高さや角度の調整が簡単な介護用ベッド、電動リフトなど、様々な用具があります。

介護保健でレンタルしたり購入したりすることも可能なので、ケアマネジャーなどに相談してみましょう。

目次へ

腰痛予防におすすめのストレッチ

なんといっても身体は資本です。サポートしてくれる器具なども使いつつ、ストレッチなどを取り入れ、自分で自分の身体をケアすることも忘れずに。

夜寝る前に寝転がった状態で行ったり、介護の合間にいすを使って行ったりできる、簡単なストレッチです。毎日少しずつやってみましょう。

仰向けでできるストレッチ

1)仰向けになって両ひざを抱え込み、背筋を伸ばします。
2)その姿勢のまま20秒ほどキープします。
3)ゆっくりと息を吐きながら両ひざを伸ばします。

太もも・ふくらはぎのストレッチ

1)手すりや椅子の背もたれなどを両手でつかみます。
2)片足を軽く曲げて前に出し、もう片方は後ろへ伸ばします。後ろに引いた足のアキレス腱を伸ばすような形になります。
3)その姿勢を30秒ほどキープし、後ろに引いた方のふくらはぎの筋肉を伸ばします。
4)左右の足を入れ替えて、同じ動きを行います。

目次へ

介護による負担にお悩みの方はロングライフへ

在宅で介護をする生活は、肉体的に大きな負担がかかります。腰や膝など局部的な痛みが慢性化することも珍しくありませんし、睡眠不足などから体全体の疲労や不調につながるケースもあります。我慢をして介護を続け、自分まで体を壊してしまっては本末転倒です。体力に自信のない方は無理をせず、介護の専門家がいる老人ホームへ入居してもらうことも検討してはいかがでしょうか。

ロングライフ高齢者ケアサービス事業を始めて35年。この間に培った経験とノウハウで、入居者様が快適に、安全に過ごしていただける毎日をサポートいたします。

介護や医療ケアに関しても、経験豊かなスタッフが入居者様お一人おひとりに合ったきめ細かいサポートを行っています。新人社員に対しては、最新のカリキュラムに基づいた介護の専門技術を習得させるようにしており、新しい介護の知見や技術を取り入れることで、より質の高いサービスを提供できるように日々努力しています。

ご家族の方がもっとも心配されるのが、緊急時の医療体制ですが、ロングライフでは提携する医療機関とのメディカルネットワークを最大限利用し、迅速に対応できる体制を整えています。

老人ホームへの入居をお考えの際には、ぜひ一度ロングライフもお声がけくださいませ。

目次へ

まとめ

介護にはつきものといってもよい腰痛ですが、一度痛めてしまうと、なかなか治りづらいやっかいなものです。自己流で介護を行っていると、身体を痛めやすいもの。今回ご紹介した腰への負担が少ない方法で作業することと、自分の身体のケアも忘れずに行うことを意識してください。

また、選択肢の1つとして、老人ホームなどで専門家に介護を任せるということも考えてみてはいかがでしょうか。

※こちらの記事は、2020年2月24日時点の情報をもとにした記事です。

No.2002-06