家族の介護が必要となったときに知っておくべきことをご紹介

高齢化の進行に伴って、介護が必要な方の数もどんどん増えつつあります。そんな中で、増え続ける家族の負担も問題視されるようになりました。実際に今、介護をしていて疲れがたまっている、心配事が多いという方も多いのではないでしょうか。 介護は数年単位で長く続くことが多く、その間続けていくには、うまく負担の軽減を図ることが重要です。そこで今回は、家族の介護をしなければならなくなったとき、どのようなことを知っておくべきかについてまとめました。これから自宅で介護をするという方、疲れて悩んでいるという方はぜひ、参考にしてみてください。


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家族介護のメリット

介護が必要になったとき、自宅で家族が介護をするのか、それとも施設に入居するかは、大きな選択肢です。どちらも良さがあるのでどちらにすべきとは言い切れませんが、家族が介護をするときにはどのようなメリットがあるかは知っておいた方が良いでしょう。

家族介護の大きなメリットは、介護を受ける本人の生活環境を変えずに済むことと、長く一緒に過ごせることです。高齢になってから生活環境を整えることは、大きな負担となります。人によっては、心身に影響をもたらしてしまう場合もあるほどです。そのリスクを避けられることは、本人にとって重要なポイント。

家族にとっては、大事な人と一緒に過ごす時間を減らさずに済みます。施設に入居すると会える時間は限られてしまいますが、一緒に暮らしていればずっとそばにいることができるのです。この2点は、家族介護の非常に良い点であると言えます。

そして、家族としての役割をしっかりと全うできていると感じられることも、メリットとして挙げられます。配偶者として、子供として、家族に寄り添って介護をすることで、その役割を果たすことができたと語る家族は少なくありません。

家族全員で協力することで、それぞれの絆が深まることもメリットといえるでしょう。自宅で介護をすると、やらなくてはならないことが非常に多く発生します。日常の介護はもちろん、医療機関などへの必要な連絡、物品の補充など、細かなことを挙げればきりがありません。それを家族で分担しながら進めていけば、自ずと関係性も変化していくでしょう。

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家族介護で起こり得る介護疲れ

家族介護でしばしば問題となるのが、介護疲れです。休みなく続く介護が負担となり、心身ともに疲れてしまうという例もあります。

もちろん、家族の状況や介護の程度などによって、負担と感じる部分が違ったり、負担にさえ感じなかったりする場合もあります。ここでは、家族介護の負担として挙げられることが多い項目についてお話ししていきましょう。

身体に負担がかかる

介護は体力が必要不可欠です。体が十分に動かない人を支えたり、ときには持ち上げたりしなければなりません。自宅で介護をするだけではなく、ときには病院へ行くために付き添ったり、動ける方なら一緒に外出をしたりすることもあるでしょう。そうしたことを考えれば、身体的な負担が大きくなるのは当然です。

さらに自宅で介護をしている場合、24時間介護が必要となります。夜間に寝ることができれば良いのですが、場合によってはトイレの介助や身体の向きの変更、吸引などの医療的処置が必要なこともあります。そうすると、身体的な疲労に睡眠不足も重なるため、同じ人がずっと対応するのは困難となってしまいます。

精神的に負担がかかる

家族で介護をしていると、自由に出かけたり身の回りのことをしたりといった時間は取りにくくなってしまいます。自分の思うように物事が進められない、やりたいことができない状況というのは、精神的にかなり負担です。身体的な負担から、疲れてイライラしてしまうということも多くあります。

経済的に負担がかかる

自宅で介護をするためには、多くの物品が必要となります。移動に必要な杖や車椅子、自宅に設置する手すり、おむつや着脱がしやすい衣類など、さまざまな物品をそろえなくてはなりません。しかも、介護の状態によって必要なものが変わっていきますので、その都度手に入れるという手間もあります。

また、介護と仕事を両立させることは困難です。介護の時間を確保するために仕事を辞める、あるいは短時間にするという方も珍しくありません。そうすると、収入が減ってしまうため、余計に家計が圧迫されてしまいます。

老老介護

近年問題となっているのが、高齢者を高齢者が介護する「老老介護」です。高齢化が加速する中、高齢の配偶者がパートナーを介護していたり、介護をしている子供も高齢になっていたりすることは多いです。

高齢になると、身体的な負担はますます大きくなります。家族自身も何かしらの病気などを抱えている場合もあり、いつ介護ができなくなるかという不安もあるでしょう。収入も年金のみという場合が多く、経済的にも負担が大きい現状があります。

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家族介護の負担を減らすためには

では、こうした家族介護に伴う負担を軽減するためには、どうしたら良いのでしょうか。具体的な負担軽減のポイントについて見ていきましょう。

まずは相談すること

家族で介護をしていると、悩みや不安を抱え込んでしまうという方もいます。介護の負担を減らすためには、まずはまわりに思い切って相談してみることが大切です。

役所の窓口や地域包括支援センターなど、地域には介護の相談ができる場所が必ず設置されています。民間の事業者が無料で相談窓口を設置していたり、介護をする家族の集まりが開かれていたりすることもありますので、こうした場も積極的に活用すると良いでしょう。

話すだけでも、思考が整理されてスッキリしたり、安心したりすることは多いです。自分の家族のことだからと遠慮せずに、負担となっている部分はまわりに頼るようにしましょう。

介護サービスを利用する

介護に伴う負担を物理的に軽減するには、介護サービスの活用がおすすめです。介護の状況によって利用できるサービスの種類や頻度は異なりますが、うまく活用すれば、介護の負担を大幅に減らすことができます。

保険で利用できるものだと、自宅に来てもらえる訪問介護や看護、訪問入浴、日中に通うデイサービスや一時的に宿泊できるショートステイなどがあります。手すりの設置やベッドのレンタルなど、必要物品をそろえることも可能です。

介護保険外で利用できる家事サービスや、配食サービスなどもあります。家庭の状況や介護の状況に合わせて、うまく利用しましょう。

もし、あまりに負担が大きくなってしまい、家族で介護をすることが難しくなってきたら、老人ホームなどへの入居も視野に入れた方が良いでしょう。

有料老人ホームを運営しているロングライフなら、提携医療機関と協力して安心できる管理体制が整っているだけでなく、楽しいイベントやこだわりの食事など、充実したサービスを受けることができます。

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まとめ

大事な家族だから、できるだけ自宅で介護を続けたいという方も多くいるかと思います。しかし、介護生活は長く続くものです。家族だけで抱え込んでいたら、負担はどんどん大きくなってしまいます。その負担をそのままにしておくと、いつか限界が訪れて、自宅での介護を続けられなくなってしまうかもしれません。

家族一緒に過ごせる時間を長くするためにも、介護をする人の負担を減らすことは大切です。利用できるサービスはうまく利用しながら、長く介護を続けられる環境づくりをしていきましょう。

※こちらの記事は、2020年2月24日時点の情報をもとにした記事です。

No.2002-08