介護で高齢者をお風呂に入れる際の手順とは

多くの人が毎日の習慣として行っている入浴。入浴は全身の清潔を保つために必要であるだけでなく、温まることでリラックスしたり血液循環を良くしたりする効果もあります。 年齢や病気、怪我などの影響で体が不自由になると、入浴にも介助が必要になります。入浴の介助は羞恥心を伴うことから遠慮する方もいますが、浴室が滑りやすかったり、入浴には思っているよりも体力が必要だったりすることから、危険が伴うことも事実です。 では、安全に高齢者の入浴介助をするにはどうしたら良いのでしょうか。介護が初めてという方や高齢者の対応に不慣れな方などは特に、迷うこともあるかと思います。そこで今回は、入浴介助に必要な準備や具体的な手順についてまとめました。


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入浴介助するときに準備しておくこと

スムーズに入浴介助を行うには、必要な準備をきちんとしておくことが大切です。まずは入浴前の準備について、具体的に説明していきましょう。

バイタルチェックをする

最初にも触れたように、入浴は思っているよりも体力が必要です。健康な方や若い方なら気にならないかもしれませんが、高齢で体力が衰えた方や、病気などがある方には負担となります。可能な限りその負担を少なくするため、入浴前の体調を必ず確認するようにしましょう。

具体的には、体温や血圧、脈拍等をチェックします。これらの値がいつもと異なる場合は、状況によって湯船に浸かるのをやめたり、体を拭くだけにしたりという対応を検討しましょう。値に異常がなくても、ご本人から疲労や体調不良などの訴えがあったり、介助者から見ていつもと違う様子が見られたりする場合は注意が必要です。

また、空腹時や食事の直後の入浴は消化に影響を与えてしまいますので、避けるようにしましょう。

脱衣所や浴室の環境をチェックする

入浴時の事故などを防止するため、脱衣所や浴室の環境を整えることも大切です。特に、室温には注意が必要になります。居間など入浴前に過ごしていた部屋と脱衣所、脱衣所と浴室等それぞれの温度差が大きいと、ヒートショックを引き起こす原因となってしまうからです。

ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が大きく変動し、何らかの健康被害を引き起こすことを言います。ヒートショックによって起こる健康被害は心筋梗塞や脳卒中などが挙げられ、特に冬場に起こりやすいです。

ヒートショックを防ぐために、脱衣所や浴室は暖房器具などを使って25度程度に温めておくようにしましょう。冷たい浴室の床に触れなくて良いようにマットやスノコを敷いたり、浴槽にお湯をためて、入浴前にふたを開けておいたりするのも効果的です。

また、浴室は滑りやすく、転倒が起こりやすい場所でもあります。脱衣所と浴室の間でつまずくことも多いので、介助の際には注意するようにしましょう。つまずく原因となるようなものが床に落ちていないか、つまずきやすそうな場所はどこかも、事前にチェックしておくことが大切です。

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入浴介助に必要なもの

次に、入浴介助ではどのような物品が必要なのか、具体的に見ていきましょう。

入浴に必要なもの

まずは、入浴介助をするときに必ず必要になるものをご説明します。

・タオル
体を拭く際は、大きめのバスタオルがあると便利です。体全体を包むことができるので、入浴後の冷えを防げるほか、拭く時間の短縮にもなります。

・着替え
ご本人の体が動かしにくい場合は、前開きの服にすると着替えがしやすくなります。可能であれば、ご本人の気持ちを尊重するためにも、着替えはご本人に選んでもらうことをおすすめします。

・体調に応じて保湿剤や爪切り、薬など
入浴後は皮膚や爪が柔らかくなるので、スキンケアや爪切りがしやすいタイミングです。皮膚が乾燥しがち、爪がかたくて切りにくいなどがあれば、入浴後のケアがおすすめです。

・介助者はエプロン、ゴム製の靴、手袋など
気をつけていても、介助者も濡れたり泡がついてしまったりすることが多いです。入浴後の介助がしにくくなってしまうので、エプロンなどをつけて濡れたりしないように気をつけましょう。

上記のほか、石けんまたはボディーソープ、シャンプーやコンディショナー、ボディタオルやスポンジなどを用意しておきましょう。

あると良い介護用品

介助を受けるご本人の状態に合わせて、以下のような介護用品があると入浴介助がしやすくなります。

・転倒防止マット
・手すり
・シャワーチェア
・入浴用介助ベルト
・入浴用リフト
・入浴台
など

体の動きがだんだん不自由になってくると、介助者の力だけでは支えきれなくなってしまいます。無理をすると転倒などの事故が起こりやすくなるほか、介助者の負担も大きくなってしまいますので、介護用品をうまく活用して負担軽減や事故防止をしていきましょう。

どのような介護用品があるのか、何を使ったら良いのかについては、ケアマネージャーに相談してみてください。適切な介護用品を提案してくれるほか、場合によっては介護保険を利用して金銭的負担を減らすこともできます。

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入浴介助の手順

では、実際にどのように入浴介助を行ったら良いのか、具体的な手順についてみていきましょう。

①肌が触れるところはシャワーをかけて温める
床や手すり、椅子など、肌が直接触れる場所が冷えていると不快なほか、ヒートショックの原因にもなります。

②足元に注意し、手すりにつかまって椅子に腰かける

③お湯の温度を介助者が確認し、本人にも確認してもらう。ちょうど良い温度になったら心臓から遠い足元から全身へかける
お湯の温度は介助者にとって適切でも、ご本人にとってはそうでないこともあります。また、お湯をかけるときは、急に心臓の近くからかけると負担になってしまいますので注意が必要です。

④頭、顔、身体の順番にボディタオルやスポンジで優しく洗う
自分で洗えるところは自分で洗ってもらい、洗えないところは介助者が洗います。高齢者は肌が弱いことが多く、強くこすると肌を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。頭部を洗うときは、指の腹を使って優しく頭皮を洗うようにしましょう。

⑤すすぎ残しがないか身体を確認し、手すりに掴まりながら5分ほどお湯に浸かる。心臓に遠い部分から浸かるようにする

⑥浴槽から出たら、脱衣所に出る前にタオルで身体を軽く拭く

すべてを介助者が行うのではなく、ご本人ができるところは行ってもらいましょう。自分で行うことで自尊心を保つことができるほか、残存機能の維持にもつながります。

ただし、体調などによってはできないときもありますし、徐々に身体機能が衰えてできないことも増えていきます。その日の状態を確認しながら、それに合わせた介助を行うように心がけましょう。

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入浴介助後の注意点

入浴後は、素早く水分を拭き取って、着替えを行いましょう。足の裏がぬれていると転倒しやすくなってしまうので、足の裏も忘れずによく拭くように注意してください。

立ったまま着替えを行うことも、転倒につながるおそれがあります。脱衣所にイスを準備して、着替えは座って行うようにすると良いでしょう。必要に応じて、保湿剤や薬の塗布、爪切りなども入浴後のタイミングで行うのがおすすめです。

入浴時は汗をかきますので、体の水分が奪われてしまいます。着替えをして落ち着いたら、しっかりと水分補給をするよう促してください。

ロングライフでは、しっかりと教育を受けたスタッフが丁寧に入浴介助をしますので、介助が必要な方でも安心して入浴することが可能です。

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まとめ

健康なときは何気なく行っている入浴ですが、自分でできなくなると生活の質が大きく下がってしまいます。清潔を保つことはもちろん、入浴を毎日の楽しみにしていたという方も多く、できなくなったときの落胆は大きなものです。

その分、ご本人にとって入浴ができるときの喜びは大きくなります。今回ご紹介した情報を参考にしながら、無理なく入浴介助ができるよう心がけてみてください。

※こちらの記事は、2020年1月24時点の情報をもとにした記事です。

No.2001-05

ホテルのような我が家。住宅型有料老人ホーム日本ロングライフ

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