50代からでも老人ホームへ入れる?老人ホームの入居可能な条件

あなたは介護が必要になるのは何歳からだと思いますか。おそらく多くの人が70代や80代といった高齢者を思い浮かべるのではないでしょうか。老人ホームへの入居も、そのくらいの年齢を想定している人も多いでしょう。 たしかに、高齢になってから介護が必要になる人は多いです。しかし、病気や障害などの状態によっては、50代などもっと年齢が低い人でも、介護がなければ生活できない人もいます。 そのような方の中には、家族の負担なども考慮して、早めに老人ホームへの入居を検討している方もいるかもしれません。そこで今回は、50代からでも老人ホームへ入れるのか、入居できる条件などについて解説しました。早い段階での入居を検討されている方は、参考にしてみてください。


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50代からでも老人ホームへ入居はできる?できない?

50代でも介護が必要になる場合があることはご理解いただけたかと思います。しかし、実際に老人ホームへ入居することは可能なのでしょうか。その点についてまずは見ていきましょう。

老人ホームへ入居できる年齢

老人ホームは、入居条件を60歳以上もしくは65歳以上と定めているところが多いです。いくつか種類がある老人ホームの中で、例えば特別養護老人ホームの場合は、入居条件は要介護3以上となっているものの、介護度などの条件が同じであれば、年齢が高い方が優先される場合があるのが現状です。

しかし、すべての老人ホームで50代の方の入所ができないわけではありません。有料老人ホームの対象者は「老人」、サービス付き高齢者向け住宅の対象者は「60歳以上の者、要介護/要支援認定を受けている60歳未満の者」のいずれかとなっているため、定義上は入所が可能です。

そのため、50代など年齢が比較的低い人でも入居可能な条件を設定している施設もあります。その数はまだ少ないですが、入居を検討しているのであれば、探してみる価値はあるでしょう。

実際、何歳で老人ホームへ入居する方が多いのか、各施設の入居条件などに関しては、下記のページで詳しくご紹介していますの、ご覧ください。
⇒「老人ホームは何歳から入るべき?」

年齢が若いと入居金は高くなってしまう

老人ホームは、年齢から想定される入居期間を考慮して入居金を定めています。入居金は入居時にはらう前払い家賃のようなもので、想定される入居期間が長ければ長いほど高額になってしまうのです。入居者にとっては償却期間も長くなってしまうので、払った額の分の元を取るためには、かなりの期間が必要になります。

老人ホームの償却期間など、費用面に関する設定は施設によっても異なるため、また、検索しても専門用語ばかりの情報が多いため、詳しい情報は施設へ問い合わせてみることをおすすめします。

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50代でも入居できる老人ホームはある?

50代でも老人ホームに入居すること自体は、可能であることはご理解いただけたかと思います。しかし、実際に50代で入居できる老人ホームはどのくらいあるのでしょうか。次はその点について見ていきましょう。

50代から入れる老人ホームは少ない

50代で介護が必要な方が老人ホームに入る場合、介護保険では第2号被保険者(40歳以上65歳未満)になります。第2号被保険者は、介護状態になった原因が老化に起因する16種類の特定疾病と定められており、それ以外は認められていません。

この第2号被保険者に当てはまる人の数は多いですが、老人ホームへの入居を検討する人は少ないです。そのため、老人ホームを運営する事業者も、第2号被保険者の方が入居することを想定しているところは多くありません。

もしも実際に入居できたとしても、老人ホームの入居者の多くは70代や80代以上の後期高齢者です。50代の人と生活リズムや環境などが合うのか、共同生活ができるのかという問題もあげられます。

50代から入れる老人ホーム

要介護認定の有無に関わらず50代から入れる老人ホームとしては、まずは高齢者向けマンション(シニアマンション)が選択肢としてあげられるでしょう。

シニアマンションは、分譲住宅に分類される高齢者向けの住まいです。建物はバリアフリーに配慮されていたり、ちょっとした困りごとや相談、来客などに対応するコンシェルジュが常駐していたりすることが特徴です。

特に設置基準などはなく、入居条件となる年齢は住宅によって異なります。基本的には、身の回りのことが自分でできる方が対象となっていることが多いです。

事業者によって設備やサービスに差はありますが、住宅によっては掃除などのサービスを提供しているところもあります。介護サービスは行っていないので、外部の事業者と契約しなければなりません。またほかの有料老人ホームと違い、資産になることも特徴としてあげられます。

それ以外には、介護付きまたは住宅型有料老人ホームなどで、年齢に関する基準を設けていない施設もあります。

特定疾病を持つ50代が入居できる老人ホーム

要支援または要介護認定の対象となる特定疾病を持つ50代の方は、定義上は以下の種類の老人ホームに入居することが可能です。

・サービス付き高齢者向け住宅
・有料老人ホーム
・介護老人保健施設(要介護者)
・特別養護老人ホーム(要介護3以上)

有料老人ホームには、国で明確に対象者が定められていませんので、施設によって年齢や要介護度などの入居条件は異なります。老人ホームへの入居を検討するのなら、年齢を含めた入居条件やサービスの提供内容を詳しく確認してみるようにしましょう。

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50代からの老人ホームの選び方

50代から老人ホームに入居するのであれば、介護や医療的なケアに関してどのくらいの状態まで対応可能かを必ず確認しておくようにしましょう。特定疾病を持っている場合、病気の種類や病状によっては医療的なケアが必要となる可能性があります。施設によっては対応不可能なことがありますので、長く住むことが難しくなってしまうかもしれません。

ケアそのものが可能であっても、病気に関する理解が少ないと、対応がスムーズに進まないこともあるかもしれません。同じ病気の人を受け入れた経験があるのか、その人数やいつ受け入れたのかなども併せて確認しておきましょう。受け入れた経験がある施設であれば、実際に入居する際も安心することができます。

また、スタッフと本人や家族がコミュニケーションを密に取れるかどうかも重要です。病状などによっては家族と頻繁に連絡が必要になる可能性もありますので、話しやすい雰囲気かどうか、信頼できそうなスタッフがいるかどうかは非常に重要です。家族が住む家から通いやすい場所にあるかどうかも考慮しておくと良いでしょう。

ロングライフの有料老人ホームでは、原則として65歳以上が入居の条件となっているものの、状況によってはそれ未満の方でも追加費用は発生しますが、入居することが可能です。緊急トラブルなどに24時間対応できる体制になっており、安心できる生活環境が整っています。コンシェルジュや清掃スタッフなど、丁寧で心配りの行き届いたスタッフが暮らしをサポートします。

まとめ

年齢が若かったとしても、病気や障害によっては介護が必要となるのは仕方がありません。病気などがなかったとしても、早めに安心できる生活環境を整えたいという方も中にはいるでしょう。

まだ50代の方に対応している老人ホームは多くはないですが、選択肢としてはゼロではありません。介護度などの状況によっては、年齢が上の方よりも入居が優先される可能性も考えられます。

もしも50代のうちから老人ホームへ入居することを検討したいというのであれば、今回ご紹介した情報を参考に、ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。そして、まずは近くにある老人ホームから、入居条件やサービス内容などを確認してみると良いでしょう。

No.1912-16